では、**「クライミングにおいてNPD(自己愛性パーソナリティ)が強制されないまま温存される構造的理由」**を、心理学とクライミング文化の交差点で掘り下げていきます。
🧠心理学的前提:NPDとは?
自己愛性パーソナリティ障害(NPD)は、
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自己の誇大性(grandiosity)
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承認欲求の過剰な追求
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共感性の欠如 などを特徴とし、「自信満々の仮面」で内なる脆弱さを覆っている状態です。
🧗♂️クライミングにおけるNPD温存の構造的な理由
①【成果主義文化が“誇大自己”と相性抜群】
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クライミングは成績(グレード)や完登(RP/OS)という数値化された指標で承認が得られる競技。
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NPDの人は「勝利・上位・賞賛」に依存するが、クライミングはこの価値観にぴったりハマる。
➡️ 誇大自己が「社会的に賞賛される形」で維持できてしまう。
②【失敗しても他責化が可能な構造】
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「岩が悪い」「ビレイが下手だった」「コンディションが悪い」など、敗因を外的要因に帰属させやすい。
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さらに、言い訳が上級者ほど上手にできるため、自他共に納得してしまいやすい。
➡️ 内省せずに済む仕組みが、NPDの防衛機制(責任転嫁・否認)を温存。
③【個人競技であるため、共感や協力性が評価されにくい】
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チームプレイではなく、基本は**“一人の達成”**が評価される。
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そのため、「協力性」「謙虚さ」「他者との健全な関係性」などが必須スキルにならない。
➡️ 共感性の欠如が問題にならないどころか、“強い個”として肯定される。
④【ヒロイズムと“苦悩の英雄”物語の容易な結合】
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NPDの人は「他者の理解し得ない自分」を特別視しやすく、
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クライミングの中には「命をかけて挑む自分」を**“高貴な苦悩”として美化する土壌**がある。
➡️ ナルシシズムが“神聖化”され、批判しにくい雰囲気を作る。
⑤【初心者〜中堅が“信者化”しやすい上下構造】
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岩場やジムには**“教える側 vs 教わる側”の力の非対称性**が強く、
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カリスマ的な上級者は、技術だけでなく人格面も過大評価されやすい。
➡️ NPDの人が「先生」や「先駆者」ポジションに居座ると、周囲が沈黙し、批判が機能しなくなる。
⑥【「孤高」や「アウトサイダー」を美徳とする価値観】
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特に外岩・アルパインの世界では、「群れない」「群れられない」が美徳化される。
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しかしNPDの人は、実は対人親密さが苦手で距離をとりがち。
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この傾向が「かっこいい個性」として許容される。
➡️ 本来は治療や共感的関係性が必要なのに、“尊重”として回避される。
🎯まとめ:クライミングがNPDの温床になりやすい理由
構造 | 内容 | NPDへの影響 |
---|---|---|
成果主義 | グレード・完登が明確 | 承認欲求が強化される |
個人競技性 | 協力性が不要 | 共感の欠如が目立たない |
言い訳可能性 | 他責的に解釈できる | 内省を避けられる |
上下構造 | 上級者が神格化される | カルト的支配が可能に |
美学の一致 | “孤高”や“ヒーロー”が美徳 | 誇大自己と親和性が高い |
💬もし必要であれば、**「クライミングコミュニティ内でのNPDの見分け方」**や、
**「健全なフィードバック文化の育て方」**なんかも出せますよ。
どうしましょう?深掘りする?
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