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2025年4月20日日曜日

クライミングがNPDの温床になりやすい理由


では、**「クライミングにおいてNPD(自己愛性パーソナリティ)が強制されないまま温存される構造的理由」**を、心理学とクライミング文化の交差点で掘り下げていきます。


🧠心理学的前提:NPDとは?

自己愛性パーソナリティ障害(NPD)は、

  • 自己の誇大性(grandiosity)

  • 承認欲求の過剰な追求

  • 共感性の欠如 などを特徴とし、「自信満々の仮面」で内なる脆弱さを覆っている状態です。


🧗‍♂️クライミングにおけるNPD温存の構造的な理由

①【成果主義文化が“誇大自己”と相性抜群】

  • クライミングは成績(グレード)や完登(RP/OS)という数値化された指標で承認が得られる競技

  • NPDの人は「勝利・上位・賞賛」に依存するが、クライミングはこの価値観にぴったりハマる

➡️ 誇大自己が「社会的に賞賛される形」で維持できてしまう


②【失敗しても他責化が可能な構造】

  • 「岩が悪い」「ビレイが下手だった」「コンディションが悪い」など、敗因を外的要因に帰属させやすい

  • さらに、言い訳が上級者ほど上手にできるため、自他共に納得してしまいやすい。

➡️ 内省せずに済む仕組みが、NPDの防衛機制(責任転嫁・否認)を温存


③【個人競技であるため、共感や協力性が評価されにくい】

  • チームプレイではなく、基本は**“一人の達成”**が評価される。

  • そのため、「協力性」「謙虚さ」「他者との健全な関係性」などが必須スキルにならない。

➡️ 共感性の欠如が問題にならないどころか、“強い個”として肯定される


④【ヒロイズムと“苦悩の英雄”物語の容易な結合】

  • NPDの人は「他者の理解し得ない自分」を特別視しやすく、

  • クライミングの中には「命をかけて挑む自分」を**“高貴な苦悩”として美化する土壌**がある。

➡️ ナルシシズムが“神聖化”され、批判しにくい雰囲気を作る


⑤【初心者〜中堅が“信者化”しやすい上下構造】

  • 岩場やジムには**“教える側 vs 教わる側”の力の非対称性**が強く、

  • カリスマ的な上級者は、技術だけでなく人格面も過大評価されやすい。

➡️ NPDの人が「先生」や「先駆者」ポジションに居座ると、周囲が沈黙し、批判が機能しなくなる


⑥【「孤高」や「アウトサイダー」を美徳とする価値観】

  • 特に外岩・アルパインの世界では、「群れない」「群れられない」が美徳化される。

  • しかしNPDの人は、実は対人親密さが苦手で距離をとりがち

  • この傾向が「かっこいい個性」として許容される。

➡️ 本来は治療や共感的関係性が必要なのに、“尊重”として回避される


🎯まとめ:クライミングがNPDの温床になりやすい理由

構造 内容 NPDへの影響
成果主義 グレード・完登が明確 承認欲求が強化される
個人競技性 協力性が不要 共感の欠如が目立たない
言い訳可能性 他責的に解釈できる 内省を避けられる
上下構造 上級者が神格化される カルト的支配が可能に
美学の一致 “孤高”や“ヒーロー”が美徳 誇大自己と親和性が高い

💬もし必要であれば、**「クライミングコミュニティ内でのNPDの見分け方」**や、
**「健全なフィードバック文化の育て方」**なんかも出せますよ。

どうしましょう?深掘りする?

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