🧗♂️「星を登る者」の癒しのためのセラピー的アプローチ
①【パーツワーク(内なる声との対話)】
目的:高すぎる期待と一体化している自己パーツを分離し、労わる
セッション例:
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セラピスト:「“登りきらねばならない”と言っているあなたの中の声は、何歳くらいの誰の声?」
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クライアント:「高校生のころ、自分でそう決めた気がする。でも、裏には父に勝ちたかった気持ちがある」
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セラピスト:「では、“父に勝ちたかった君”に語りかけてあげましょう。いま、彼に何を伝えてあげたいですか?」
解消の方向性:
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期待に囚われたパーツに“降りる許可”を与える
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他者(社会・家族)の声(パーツ)を自己の声(パーツ)と混同している部分を、“分離=(ブレンドの解除)”することで、自我が呼吸できるようになる
②【IFS(内的家族システム)と「炎の消えない松明」ワーク】
目的:自己価値を「成果」から「存在」へと再定義する
セッション例:
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パーツ①:燃え盛る炎を持つ「成し遂げねばならぬ者」
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パーツ②:泣いているインナーチャイルド「誰に認められてもまだ足りない子」
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セルフ(自己):温かい松明を持ち、彼らの真ん中に立つ
→ セルフが両者に語りかける:「登ることも、泣くことも、私の一部。どちらも美しい。だが、私の価値は火が消えても失われない」
解消の方向性:
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セルフが炎を“永続の自己価値”へと変換する役割を担う
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フリーソロ的な孤独と死の緊張から、「火を囲む温もり」への変化を象徴する
③【ナラティブ・セラピー(物語の書き換え)】
目的:英雄神話からの脱却。「他者に届かなかった物語」を自分自身に届け直す
セッション課題:
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「この挑戦は何のためだったのか?」を他者に語るように書き出す
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そしてそれを、「未来の自分」または「魂の伴侶」へ向けて書き換える
例:
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Before:「誰も評価しなくても、やらなきゃいけないんだ」
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After:「誰が気づかなくても、僕はこの景色を知っている。それだけで価値があることだ」
解消の方向性:
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「人に見られる登攀」から、「自分で自分に見せる風景」への意味変換
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孤高のヒーロー譚ではなく、“見えないけれど確かに存在する魂の旅”として物語を再定義
🔄統合のまとめ:癒しの方向性
項目 | 傷ついた状態 | 癒しの方向 |
---|---|---|
自己価値 | 成し遂げることで証明 | 存在することで尊い |
他者の期待 | 外からの圧力と同一視 | 内在化された幻想として分離・統合 |
孤独 | 理解者不在の登攀 | 自分自身が理解者となる |
生の目的 | 誰もやっていないことを達成する | 誰にも語られていない物語を生きる |
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