ページ

2025年7月27日日曜日

クライミングエリートは作られるもの

あなたが挙げた「有利な人生のスタート条件」を、クライミングにおける有利なスタート条件にメタファーとして置き換え、構造的な類比にしてみましょう。


🧗‍♀️ クライミングにおける「有利なスタート条件」への置き換え

人生の有利な条件 クライミングにおける対応する有利条件 説明(対応関係)
親が離婚していない 安定して支えてくれるビレイヤーが常にいる 不安なくのびのびムーブできる土台。心理的セーフティ。ビレイの安定=愛着の安定。
父親的存在がいた 尊敬できるコーチやクライマーが身近にいる ロープワーク、安全判断、登攀哲学など「外からの規律と視点」を学べる父性的存在。
私立に通った ルートが整備されたジム・高品質な壁に通える ハリボテや課題の質、ルートセットの構成など、学びやすく自信がつく「育成設計」がある。
無料で家庭教師 ベテランに無償で教えてもらえる 経験豊富な指導者がいて、フォーム・危険判断・課題選びを的確に導いてくれる。
特待生でなくても大学進学できた 強くなくても岩場に連れていってもらえる 実力未満でも、信頼と環境が用意されており、実践の場に参加できる。
生活費を払わなくていい 遠征費や道具代を家族に支援してもらえる バイトせずトレーニングや遠征に集中できる=精神的リソースを削られない。
スマホ代を払わなくていい トポ情報や動画解析にコストをかけずアクセス可 現代的な情報アクセスが当たり前に可能=ルート情報、気象、レビューがすぐ手に入る。
明日の食事代を心配しなくていい 長期滞在やキャンプでも食事に困らない 栄養・回復・持久力に配慮した遠征生活が送れる。体を壊さず継続できる。

🔑 構造的なポイント

抽象構造 人生 クライミング
安定した足場 安定した家庭・愛着 安定したビレイ・環境・信頼関係
モデルと学び 父性、教育者の存在 コーチ、先輩、師匠の存在
学びやすい環境 学習機会・経済的猶予 高品質ジム、費用支援、移動の自由
自由な挑戦 リスクなく試行錯誤できる 落ちても守られる環境、安全なトライが可能

🚨 一方での「不利なスタート」的状況の例

クライミングでの例 人生の不利な条件に対応
落ちても誰もビレイしてくれない 愛着不安・支援不在の家庭
危険な岩場に連れていかれ、怖くても黙れと言われる 父性の暴力化、無理な大人の期待
自費でギアを揃え、道具も古い 生活費を自力で捻出、教育資源の乏しさ
ジムに通えず、自己流 教育支援の欠如と放任育ち

💬 補足:だから「強さ=才能」ではない

この視点で見ると、「強いクライマー」や「上手な人」がすべて努力だけで登ってきたわけではないという真実が見えてきます。

  • 無意識に守られて育った人ほど、危うい場所で登ってきた人の「違和感」や「傷」に気づきにくい。

  • 不利な条件から登ってきた人は、登る技術以上に「サバイバル能力」を身につけている。


https://youtube.com/shorts/f5CeOfSR3C4?si=94_Z2_EfRAYzxZB7


2025年7月16日水曜日

GamesClimbersPlay

あなたの書かれた内容には、責任の不公平な押し付け構造的な「見えない落とし穴」、そして**「自己責任」の乱用**に対する深い洞察があります。以下に、心理学的観点と交流分析(TA)を交えて整理してみます。


🧠 1. この状況の心理構造:

✴ キーワード:「自己責任」のねじれた使い方

“選んだんでしょ?”
→ これは、被害者ポジションを無効化するトリック的フレーズです。

  • 表面的には「自分で決めたことには責任が伴う」と言っている。

  • しかし裏では「だから全部お前のせいだ」と全面的責任の押しつけにすり替えている。

交流分析では、これは**“If It Weren’t For You”型の逆バージョン**とも言えます。
→ 自分が無責任でいたい人が、誰かに責任をなすりつけるための言葉。


🎭 2. ゲーム的に言うと:

発話例 ゲーム的意味
「それ、あなたが選んだビレイヤーでしょ?」 → 「全部あなたの責任だよね(私は関係ない)」という構造的迫害者ポジション(Persecutor)
「落ちなければビレイヤーはいらない」 → 落ちることを前提にしないという否認ゲーム。実際の事故リスクを意図的に見ないことで、責任から逃げる
「ついて行ったんだよね?」 → 主体的選択を根拠に被害の存在を無効化。これもまた責任なすりつけのトリック
「このボルト、自己責任でしょ?」 → 明らかな欠陥や構造的問題を見抜けなかったあなたが悪いという、冷笑的責任転嫁

🛑 3. なぜこれは「ゲーム」として成立するのか?

このやりとりは、すべてが**“完全な情報を持たない者”に対して“完全な責任”を押しつけている構造**です。

  • 技術的詐欺(ビレイができるフリ)

  • 構造的詐欺(古いボルトがまるで新品に見える)

  • 文脈の不提示(リード経験の有無、グレード到達までの期間を隠す)

にもかかわらず、「選んだお前が悪い」と言うのは、“正しい情報を与えなかった者”が“情報を信じた者”を裁く構造であり、これはまさに心理ゲームです。


📚 4. 分析的に整理すると(交流分析+構造分析)

要素 解説
表面の交流 「それ、あなたが選んだんでしょ?」→ A(アダルト)っぽい
裏の交流 「お前が馬鹿だったからこうなった」→ C→P(子どもが親に責められる構造)
ゲーム名候補 「馬鹿を選んだお前が悪い(Look What You Got Yourself Into)」型ゲーム
犠牲者ロール 本人(あなた)は、誠実に準備したにも関わらず「愚かだった人」扱いされることで、無力感と怒りを抱く
迫害者ロール 周囲(言葉を発した人)は、責任回避のために「見抜けなかったあなたが悪い」と裁く

🧭 5. 脱出のキーワード:「構造的加害性」の可視化

あなたの言っていることは、「選んだ方が悪い」という話ではなく、

  • 「本来、提示されていなければならないリスクが隠蔽されていた」

  • 「詐欺的・構造的落とし穴があった」
    という指摘です。

このとき重要なのは:

  • 「私は確かに選んだ。でも不完全な情報を基にしか選べなかった

  • 「それは私の責任ではなく、構造的な加害の責任である」

と冷静に切り分けて、**「Noゲーム応答」**を行うことです。


🗣 「Noゲーム応答」の実例(返答例)

相手の発言 切り返し例(A自我・Noゲーム)
「それ、あなたが選んだビレイヤーでしょ?」 「ええ。でも、ビレイ技術を伏せた状態で“信頼に足る”と見せたのは事実ですよね?」
「落ちなければ問題なかった」 「落ちることを想定しない登攀は、クライミングじゃなくて空想です」
「ボルト、自己責任でしょ?」 「40年前の埋め込みボルトを、岩の上で誰でも見分けられると思いますか?」

✅ 結論:これは「自己責任」ではなく「構造的責任回避」

このような言葉は、個人の選択の問題に見せかけて、

  • 周囲の不作為や隠蔽、詐欺的行為を覆い隠す装置になっています。

交流分析で言えば、

  • 「あなたのせいで私はこうなった」型のゲームを、反転して「お前のせいでこうなった」に変えた構造。

  • 本質はどちらも責任のなすりつけゲームです。


ご希望であれば、これをそのままNOTE記事や対話スクリプトに展開可能です。どうしますか?

クライミングに特化したNOゲーム応答セルフワーク

 了解しました。以下に、あなたの体験と分析をベースにした、クライマーの場面に特化した「NOゲーム応答」トレーニングワークを構成しました。


🧗‍♀️ NOゲーム応答トレーニングワーク

― 「自己責任=無責任ゲーム」から自分を守るために ―


【STEP 1】ゲームのパターンを見抜く

Q1. 「自己責任」と言われた具体的なフレーズは?

(例:「それ、あなたが選んだビレイヤーでしょ?」)

Q2. その言葉の裏にあった《隠されたメッセージ》を感じ取ってみてください

(例:「だから全部お前の責任」/「私は関係ない」)

Q3. そのとき、自分がどんな気持ちになった?

☑︎ 怒り
☑︎ 混乱
☑︎ 無力感
☑︎ 自責
☑︎ その他:


【STEP 2】感情に巻き込まれず、事実に立ち返る

Q4. あなた自身が実際に行った準備や努力を書き出してください(A自我を活性化)

  • ビレイ講習:

  • クライマーの技量の確認:

  • 装備の確認:

  • 事故回避のためにとった工夫:

Q5. 逆に、相手(加害的言動をした人/ビレイヤー/同行者)はどんな情報を提示しなかった?

  • 例:「ビレイ未経験だった」「リード経験がなかった」「5.12登れると虚偽の申告をした」


【STEP 3】NOゲーム応答のフレーズづくり

以下のテンプレに自分の言葉を入れて完成させてください。


🔸状況A:「それ、あなたが選んだビレイヤーでしょ?」

✅ NOゲーム応答例:

「ええ、選びました。ただし、彼の技量や経験については提示された内容に基づいて判断しました。実際にはビレイ未経験だったことは、私に責任転嫁できる範囲を超えています」


🔸状況B:「落ちなければ、ビレイヤーいらないでしょ?」

✅ NOゲーム応答例:

「登攀には常にリスクが伴います。そのリスクを補完し合うのがクライミングのパートナーシップの前提です。ビレイヤーの存在は保険ではなく、基本構造です」


🔸状況C:「このボルト、自己責任でしょ?」

✅ NOゲーム応答例:

「ボルトの安全性評価は重要ですが、ペツル刻印つきの40年物アンカーを登攀中に確実に見抜くのは困難です。あれを“見抜けなかったあなたが悪い”というのは、構造的リスクの隠蔽です」


【STEP 4】あなた自身の「NOゲーム応答」をつくろう

相手のセリフを想定し、それに対するあなたのA自我からの応答を考えてみましょう。

相手のセリフ あなたのNOゲーム応答
例:「だって、その人について行ったんでしょ?」 「はい、ただし“経験者です”という申告と5.12の実績を信じました。自己申告が事実である前提で選んだのです」

(実際にあなたが言われた言葉を入れて練習してください)


【STEP 5】反応パターンを選び直す

「ゲームに巻き込まれそうなとき、自分が取りがちな反応」と、「今後選びたい応答」を比較しましょう。

状況 これまでの反応 今後選ぶ応答
相手に責任をなすりつけられたとき ショックで沈黙/自己反省/怒りを飲み込む 「そうは言われますが、状況をもう一度整理しましょう」などの中立返答
経験を軽視されたとき 「でも私はちゃんとやったのに…」と説明を重ねて疲れる 「私は準備しました。それでも不測の事態はあります」

🧭 補足:NOゲーム応答のマントラ(自分に向けて言う言葉)

💬「私は正当な範囲で判断し、努力していた」
💬「責任を押しつけられる必要はない」
💬「感情的に巻き込まれる必要はない」
💬「私はこのゲームには参加しない」


✅ 最後に:NOゲーム応答とは?

  • 自己否定せず、相手も攻撃しない

  • 責任の境界線を明確に引く

  • 冷静で、事実ベースの、尊厳ある返答

これは「我慢する善人」から「尊厳ある大人」への大きな一歩です。


ご希望があれば、この内容をPDFテンプレートに整えることや、印刷用に整形することもできます。必要ですか?