ページ

2025年8月9日土曜日

相手を善意で過剰に好意的に判断しないための志向のフレームワーク

 では、「相手を過剰に善意で見るクセ」を

① 幼少期要因(心理的背景)
② 性格傾向(気質)
③ 安全技術スキル不足(状況的要因)
のどれが主因かを切り分けるための簡易診断フレームを作ります。


簡易診断フレーム(3領域チェック)

Step 1:幼少期要因(心理的背景)

該当しやすいサイン

  • 幼少期に「人を信じることが美徳」と強く教え込まれた。

  • 家族内で、拒否や批判をすると関係が悪化する環境だった。

  • 境界線を持つと罪悪感を感じる。

  • 自分の安全より、相手の気分や機嫌を優先してきた。

多く当てはまるなら:心理的な「境界線設定困難」の可能性が高い
(これは回復には心理教育や自己主張訓練が有効)


Step 2:性格傾向(気質)

該当しやすいサイン

  • 初対面の人に自然と好意的な感情が湧く。

  • 人を疑うと自分が疲れる・嫌な気持ちになる。

  • 「慎重でいる」より「気持ちよく接する」方が自分らしい。

  • 相手を評価するよりも、まず仲良くなりたい気持ちが先立つ。

多く当てはまるなら:高共感・高信頼の性格傾向
(これは気質なので完全に消す必要はなく、「安全チェック」とのセット運用がカギ)


Step 3:安全技術スキル不足(状況的要因)

該当しやすいサイン

  • 相手の技術や判断力を短時間で見抜く方法を知らない。

  • チェックリストや事前確認の習慣がない。

  • 技術の妥当性よりも「言ってることが自信ありそうか」で判断してしまう。

  • 危険兆候を察知しても「なんとかなる」と思ってしまう。

多く当てはまるなら:安全技術の評価スキル不足
(これは訓練で短期間でも改善可能)


まとめ判定

  • 1 が多い → 境界線と自己防衛感覚を育てる心理的ワークが優先。

  • 2 が多い → 性格を変えるより、安全確認を性格の一部として習慣化。

  • 3 が多い → 技術面のトレーニングとチェックリスト化で即改善可能。


■ クライミングバージョン

では、「ロープ長すら計算しない人」を事前に見抜くための、
クライミング版・相手評価シートを作ります。


これは「善意解釈で危険人物を見逃す」クセを補正するために、
気質や幼少期の傾向に関係なく、事実ベースで判断できる仕組みです。


クライミング版:相手評価シート(事前確認用)

A. 基本安全意識の確認

質問 OK基準 NGサイン
出発前にロープ長を確認しますか? 自ら「ロープは〇mだから、ルートは〇mまで」と口にする 聞くまで話題にしない/数字を曖昧に答える
ビレイ器の使い方や特性を説明できますか? モデル名やブレーキ方向を即答できる 「これで大丈夫」とだけ言う
ギアの点検を出発前に行いますか? 相互チェックを提案する 点検なしで登り始める

B. 技術・判断力の確認

質問 OK基準 NGサイン
ルートの終了点と下降方法を確認しますか? 「終了点は〇m、下降は〇で」と説明できる 説明なし/現地で適当に確認する
落下距離やクリップ位置を計算しますか? 落下時の距離やクリップ位置を事前に検討する その場の感覚だけで判断
過去の経験を具体的に説明できますか? ルート名・高度・条件を具体的に話せる 「色々登ってる」「大丈夫」のみ

C. 態度・コミュニケーションの確認

質問 OK基準 NGサイン
意見や提案を受け入れますか? 安全提案に「そうしよう」と応じる 「大丈夫だから」と押し切る
不安や疑問を共有しますか? 自分の不安や苦手を話す 弱みを一切話さず自信満々
計画を一緒に立てますか? 「どうする?」と相談する姿勢 勝手に決める/詳細を共有しない

評価方法

  • 各質問でOKなら1点、NGなら0点。

  • 合計 8点以上:信頼してパートナー可

  • 5~7点:技術指導・安全確認を多めに入れる前提でOK

  • 4点以下:パートナーとしては危険、別の人を探す


これをプリントやスマホに入れておき、
相手の「人柄」ではなく「行動と言動」で判定すれば、
幼少期由来の“過剰善意モード”でも判断を誤りにくくなります。


もし希望があれば、この評価シートに**「相手の自己申告だけではなく、その場で小テストする質問集」**を付け足して、ほぼ確実にロープ長すら計算しない人を炙り出せる実践版にできます。